(株)高田建築事務所

表情豊かに語りかけるFlying House 桜観荘
ヒビの入らない、一発打設のコンクリートでつくったM邸。
2階の一部が宙に浮いたキャンティレバーの構造とデザインが、美しく一体化している。
家の前に立つと、コンクリートに縁取られた大きな開口部、その下には柱のない空間。
キャンティレバーとよばれるこの構造は、直方体の箱の2階部分をスライドさせ、重ねることで生まれている。「スライドさせることで躍動感を持った空間が生じる。生まれた空間は1階駐車スペースと2階テラスにしました」と高田社長。そしてもう一つ、スライドさせることで生まれたのが「外と内の半透明なつながり」だ。確かに、M邸は至るところで外と内が融け合っている。たとえば駐車スペースは、2階のゲストルームの床を天井とした半屋外の空間。正面の壁、四角く切り取ったフィックス窓から奥さまの生けたバラが見え、室内の気配を伝えている。そして、広いリビングルームの向こうには庭。Mさんの希望で、床面をフラットにつなげたため、庭はまるでリビングの一部だ。
外と内、どちらでもない曖昧な空間といえば、縁側、土間などの日本的な「間」を思い起こすだろう。「RC造でありながら、間のつくり方は日本的」。高田社長の言うように、洋の建築の中に和の要素を入れ込んだM邸は、インテリアにも和洋の折衷が見える。設計からの提案としてはリビングの格子。そしてMさんが好きで集めてきたイギリスのアンティーク家具と和の小物の組み合わせだ。見れば、ガラスキャビネットの中には江戸切子、リビングのチェストの上には会津塗りの器。「大切なのはバランス。今考えても打ち放しは大成功でしたね」。Mさんが絶賛するそのコンクリートは、約8年という時間を経ているが、ヒビはまったくなく、表面は依然、鏡面のようにツヤを放っている。専門家から、打つ途中、空気と水を振動で抜き、さらに固めるという時間も手間もかかる方法を伝授し、実践したことでたどり着いたこのクオリティと表情。「コンクリートですが、既に石です」。引き渡しの時、社長から言われた言葉が改めて説得力を持って響いている、とMさんは言った。

アンティーク家具が随所に置かれた広いLDK。客間を兼ねていることからテーブルも2つ。庭とフラットにつながる境界線の曖昧な間取り、右手の可動式の格子などに日本的なあしらいが見える

桜を眺めるためのゲストルーム。その開口部は天井と床いっぱいに取られ、眺めは大きく室内に取り込まれている

正面はキッチン。白いカウンターと格子の仕切りを造作した

リビングの壁は一面だけコンクリート打ち放しに。アンティーク家具との相性もいい

階段おどり場から玄関ホールを見る。正面にはアンティークのベンチ

8年という時間を感じさせないコンクリートに木とアイアンが調和している階段室。右手の壁は小さくくり抜いて、Mさんが吹く篠笛をディスプレイ

風除室から玄関ホールを見る。正面にはアンティークのチェストにバラを描いた花瓶

2階のテラス

リビングの窓を開け放つと、庭と室内が一体化する
ビルダー情報
会社名 | (株)高田建築事務所 | ||
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代表者名 | |||
建築業許可番号 | 建設業登録 新潟県知事 許可(特‐20)第16730号 | ||
所在地 | 〒9401105 新潟県長岡市摂田屋5-6-22 | ||
電話番号 | 0258-36-1230 | FAX番号 | 0258-35-8185 |
営業時間 | 定休日 | ||
設立 | 資本金 | ||
業務内容 | |||
取扱い工法 | 木造在来工法、RC造、鉄骨造、SE構法、混構造、他各種工法 | ||
価格の目安 | 平均的坪単価 40〜80万円未満 | ||
アフター保証 | 住宅保証機構による10年保証、JIO日本住宅保証検査機構による10年保証、自社による定期点検 | ||
取扱いエリア | |||
取扱い坪単価 | 施工実績 | ||
ホームページ | http://www.takada-arc.com |