スタンダードなカリフォルニアスタイルの家

ご主人はスノーボーダー。一時はアメリカに滞在していたと聞き、方向性が定められた。
スタンダードなカリフォルニアスタイル。素材、仕上げ、ディテール、すべてにこだわって一つの世界が完成した。

グリーンとブルーのちょうど中間のような色の外壁。白いフェンスや手すりが、鮮やかなその色に映えている。道路に面して1階に庭とテラス、中2階と2階にベランダ。外と内をつなぐ空間が大らかに、広々と設けられているのが、いかにも贅沢な感じを抱かせる。
　横長のスケールを求めたのはご主人だった。「個性的にしたかった。それに庭やデッキがあればBBQもできるし、犬も遊ばせられる」。そのために1,5区画分の土地を求めたという。中に入ると、木材がさまざまな仕上げで組み合わせられている。白くペイントした梁、壁には足場板をイメージしてエイジング塗装を施した板、キッチンカウンターには古材、TVの後ろにはすのこ。「カリフォルニアスタイルといっても、いろいろなテイストがあります。ここでは、Hさんがスノーボーダーであることを聞いて、野趣あふれるテイストで統一しようと考えました」。家ごとにテイストを絞り、それをディテールまで徹底的に落とし込んでいくのがドワーフの家づくり。H邸では、ペイントをところどころ剥げさせたり、壁の板は表面を粗いままにするなどしてワイルド感を表現。吹き抜けの手すりにシルバーのグレーチングを採用したのも、求める空気感に添った結果だという。
　
　さて、H夫妻が希望していたことが、もう一つあった。それは床下収納。スノーボードや季節家電、おばあちゃんが育てている野菜など、これまでのアパート暮らしで置き場所に困っていたものたちを、すべて見えないところに仕舞いたいと思っていたのだという。それを聞いた別所さんは、スキップフロアの間取りを考え、随所に収納場所を確保した。車庫脇の外部収納にはじまり、玄関にはファミリークローク、キッチンの横には食品庫、そしてHさん希望の床下収納は2階の下に大きく設けられた。