豊かな緑に包まれて
佇む平屋の家

Yさんが憧れていたのは、雑木林の中に溶け込むように佇む平屋建ての住まい。それを実現するポイントとなったのが、柿畑や竹林のある大きな庭でした。家の外と中をゆるやかにつなぎ、庭を室内と同じ感覚で暮らしの中に取り込んだ、理想の我が家。そこには家づくりと暮らしを心から楽しむ、家族の姿がありました。

　もともと柿畑があった母屋の敷地に建てられたY邸は、緑豊かな庭に囲まれて、静かに佇む平屋の住まい。そこには、南北それぞれの庭とつながるようにデッキが設けられ、時には、リビングからつながるウッドデッキに腰かけて庭を眺めたり、ある時には北の庭にある石敷きのデッキでご飯を食べたりと、家族が自然に外と中を行き来し、庭を楽しむ日常が育まれています。
　「ふと聞こえた鳥の声に誘われて外に出たり、室内で遊んでいた子どもたちが、リビングを飛び出して虫や蛙を追いかけに行ったり。気がつくと、家族が庭で過ごしているんですよ。本当に家族全員が、自然体で庭を楽しんでいる感覚です」と話す奥様。目や肌で自然を楽しむだけでなく、北側に果樹畑をつくって、育てたジュンベリーやブルーベリーを摘んだり、母屋につながる庭の竹林で筍を採ったりと、庭で育まれた旬の味からも四季を楽しんでいるといいます。
　室内でも、帰宅時に庭を感じられる玄関の地窓や、朝の光と四季の風景を取り込むダイニングの窓など、庭が我が家の風景として自然と目に入るよう工夫が。中でも、リビングの窓際に置かれたソファは、寛ぎながら庭を眺めることができ、家族のお気に入りの場所になっているそう。Yさん一家にとって、庭は住まいの一部として、暮らしに欠かせない場所になっています。　……続きは誌面でどうぞ