やわらかく光と素材が融け合う住まい

オフホワイトとやわらかな色合いの木を組み合わせた中2階のあるT邸。暮らしやすさと心地よさ、デザインが美しくおさまっている。

　築45年の一軒家に住んでいたT一家。Tさんにとっては、子どもの頃から暮らしていた愛着ある住まいだったが、結婚して、お子さんが生まれ、新しい家族が増えると、不具合を感じることが多くなったという。「昔の造りだったんですね。一番、日当たりのいい場所には客間があって、普段、家族が過ごすリビングは、暗くて昼間でも電気をつけなければならない。おまけに冬は寒くて、夏は暑かった」。長岡花火をベランダから見たりと、思い出も詰まっていたが、いざ建て替えが決まると、「こうしたい、ああしたい」と望みが湧いてきたという。
　ビルダーを探すにあたって、T夫妻はまず、長岡市内の新しい分譲地で行われていた住宅展を訪れた。そこで気になったハウスメーカーにプランをお願いしたが、実はもう一社、忘れられないところがあった。まだ、家づくりに本腰を入れる2年ほど前に見た稲保のモデルハウス、手がけたのは稲垣建築事務所だった。「仕切りが少なくて、広々としていて、いいなと思ったんです」とは奥さま。そこで2社にプランを依頼することに。ご主人からは、インナーガレージと長岡花火も見られる屋上、奥さまからは、キッチンを中心にしたレイアウトが要望された。決め手は、間取りだったという。奥さまが希望したキッチンを軸にしたつながりあるレイアウトについて、稲垣建築事務所の提案が際立っていたのだ。家づくりは、このファーストプランをもとに始まった。　……続きは誌面でどうぞ