静けさと洗練が宿る
和モダンの住まい

道路から見ると平屋に見える。
室内は洋と和のテイストが調和する空間。
スタイリッシュなデザインと和の世界は
相性がいいことを教えてくれる住まいだ。


　家を建てると決めた時、Ⅰ夫妻はまだ、具体的なイメージを抱けていなかった。北欧系やカリフォルニアスタイルの家を見に行ったり、興味のある画像をブックマークして集めるスマホのアプリを使ったり。いろいろな家を実際に、あるいは雑誌やスマホでひたすら画像を見る中でたどり着いたのは「年を重ねても飽きない家」という着地点だった。気になったビルダー数社に連絡を取り、その思いを伝えた二人。プランニングから契約直前まで進んだところもあったが、最終的に依頼したのはITO建築設計事務所だった。その理由についてⅠ夫妻は「こちらの気持ちやイメージを、言わないところまで汲み取ってくれた」ことを挙げた。「ほかのところでは、プランは結局、設計する人の好みになっていて、何か、押し付けられる気がしたんです」。そんな伊藤正紀さんの対応力が特に実感できたのは、プランを練り直してもらった時だった。当初は、平屋に憧れを持っていたご主人の意向でワンフロアの住まいが提案されたが、コストや広さの制限から、一部、2階建てにした間取りを改めて提案。「初回のプランは、道路に面してガレージがバン、とあって格好いいと思いました。その印象や平屋の奥行き感を保ちつつ、こちらの要望を踏まえた2案目を提示してくれたことで、伊藤さんなら、家をどんどん進化させてくれると思えたんです」。「長く住んでも飽きない家」。二人のイメージは「和モダン」というキーワードを伴って具体的に動き始めた。　……続きは誌面でどうぞ