住まいnet新潟 vol.20 (P102〜)掲載情報

(株)ITO建築設計事務所

閉じた外観に、開放感を包み込んで

窓の少ない外観から一変、内部は小さなコートを介して開放感にあふれている。
43坪という決して広くはない空間に、暮らしやすさと日々の楽しみ、素材の魅力が折り重ねられた。

 外から見ると、ほとんど窓のない黒い建物。中に入ると、細長い土間、その先には小さなコート、さらには空へと視線がまっすぐに抜ける。Y夫妻が初めて伊藤さんの設計した家を見た時と同じ「思ってもいなかった世界」が開けている。
 すぐ下を線路が走る高台という予定地を見た時、伊藤さんは「最高のロケーション」と思ったという。眺めは素晴らしく、しかもその方向からは、外からの目線を気にしなくていい。
伊藤さんは、敷地ぎりぎりに、敷地に沿って斜めに壁を建ち上げ、開口部を切り取った。ポイントとなっているのは洗い出しのコート。植栽を置いたり、バーベキューをしたり、ご主人は風呂上がりにビールを飲んだり。もちろんコートのおかげで陽光はめいっぱい室内に取り込まれ、風も視線もよく抜ける。小さなコートが、大きな開放感やゆとりを生んでいるのだ。

 間取りとしては1階にLDKとご主人の書斎、2階には寝室や子ども部屋といった個室のほか、お風呂や水回りを集めたY邸。「デザインはもちろん部屋の配置などすべてお任せしました」と2人は言う。一手に引き受けた伊藤さんがガイドラインとしたのは、ヒアリングシートに書かれていた夫婦の普段の姿だった。暑がりで、短パン1枚でいることが多いというご主人、掃除と洗濯は好きだけど片付けは好きでないという奥さま。外からの目線を気にすることなく自分を解放できるコートやその上のベランダ、随所に設けた造作の収納は、そんな家族の暮らしの素顔を設計に織り込んだ形だ。

玄関の土間からリビングを見る。ルーバーの建具を閉めていても、隙間からリビングへ、窓の先へと視線が抜ける

リビングから伸びる階段やキッチン前面には、床と同じメルバウを張って空間に溶け込ませている。右手の縦ルーバーは玄関ホールとのゆるやかな仕切り

コートという外部空間を室内に引き込み、リビングとつなげることで開放感を生み出している。コートの壁の向こうはご主人の書斎。キッチン背面やダイニング背面の棚、テーブルはオリジナルで製作

ダイニングキッチンのスペース。無垢のメルバウと白の空間を、階段やテーブルの脚に採用したアイアンの黒が引き締めている

正面の壁は敷地に沿って斜めに立ち上げ、広がりを確保

キッチン背面には小さな窓を切り取り、上下に収納を製作

      1階床と階段のステップは同素材に

      洗面台の隣には物干しスペース

      トイレの壁面は、奥さまが「塗ってみたい」と漆喰塗りに挑戦

ビルダー情報

会社名 (株)ITO建築設計事務所
代表者名
建築業許可番号 新潟県知事許可(般-24)第42625号
所在地 〒9500106 新潟県新潟市江南区西野378
電話番号 025-276-7029 FAX番号 025-276-7039
営業時間 定休日
設立 資本金
業務内容
取扱い工法 木造金物工法、RC工法、S造工法
価格の目安 平均的坪単価 40〜70万円未満
アフター保証 JIO(株)日本住宅保証検査機構による、10年瑕疵保証、自社による、3ヶ月・6ヶ月・1年・2年の定期点検
取扱いエリア
取扱い坪単価 施工実績
ホームページ http://www.ito-archi.com
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