ガレージは、耐久性なども考慮してガルバリウムを採用。母屋との高さのバランスが絶妙で、機能性とデザイン性を見事に兼ね備えている。

珪藻土の塗り壁と自然光が美しい玄関は、清潔感があり、訪れる人にも端正な印象を与える。

家族がふだん使う場所を広くとろうと、リビングを住まいの真ん中に確保。ソファなどの家具もあえて置かず伸び伸び過ごす。窓ガラスはアルゴンガス入りのトリプルで、薪ストーブの熱が無駄なく家全体を温めるから、床に座っても窓際でも快適だ。また、深い軒が、夏の日差しを抑え、冬の低い陽光を室内の奥へと届けてくれる。春を迎えたら、窓を開け放って戸外の季節を感じながら暮らすのもいい。

ダイニングテーブル近くにある薪ストーブは、料理にも大活躍。料理の出来上がりを見計らって、すぐ食卓にのせられる。キッチンからの動線も効率的。

キッチンの床はダイニングよりも1段低くした。食卓やリビングにいる家族とも自然に目線の高さが合う。階段はキッチン前から始まっているので、ここを昇り降りする子どもとも自然に触れ合うことができる。

建物高を抑えるため2階の天井は低めに設定。とはいえ吹き抜けにより階下と一体感をもたせているので、窮屈さは全くない。階段を上がった真ん中の広いスペースは、勉強に、趣味に、ミシン仕事にと、家族共同で使う。その両袖に子供部屋を設けた。

玄関とリビングに至る廊下は、天井高をあえて低くしている。リビングに入ったとたん、トンネルから抜け出たような開放感を味わえる。リビング壁面には大容量の本棚とホワイトボードを置いた。こんなところにも家族のコミュニケーションを思いやる配慮が……。家族玄関は大容量で、家族4人分の靴や外出着を余裕で収納できる。

床を畳にした主寝室は1階にある。リビングのすぐ隣で洗面所やトイレにも近く、この先夫妻が年齢を重ねてからのことも考えられている。ウォークイン・クローゼットなど収納も十分。

洗面台や棚などもオリジナルで造作した。