社寺建築で培った匠の技が生きる、
和風モダンの住まい。

切妻に三州瓦を使った住棟と意匠を揃えた車庫を結ぶのは、片流れの屋根をかぶせたアプローチ。石の小径を歩けば、木の香りがおだやかに迎えてくれる。そんな一瞬にも、心やすらぐたたずまい。本物の素材を使い、社寺建築で培った日本伝統の技術を生かした、和の感性が息づく住まいである。

新潟県をふるさとにもつご主人は、伝統的な日本家屋で育った。そのせいもあり、家を建てるのなら和風にしたいと考えていた。いずれは新潟から両親を呼び、同居することになるかもしれない。そんな折り、住宅建材の会社に勤めていた友人が、和風の家なら北一タカハシ建設がいいと教えてくれた。業界の人がすすめるのだから間違いない。さっそく、話しを聞きにいった。
「高橋社長にお会いしたら、その熱意に動かされました。まず、自分の自宅を見てくれと。ほかにも施工した家を見せてもらいながらいろいろ説明を聞くと、使う木のことや建具のデザインなど、細かいところへの気遣いがすごいんです。いい感じになんでも相談できて、頼もしく思いました」。
昨年7月に会ってから、10月の中旬には着工という慌ただしさのなか、大枠の設計を決定し、あとは現場でその都度検討することも少なくなかった。そのスピード感や、臨機応変な対応ぶりにも信頼がもてたという。
ご主人が気に入っているのは、広々とした玄関ホール。磨りガラス入りの格子戸に、化粧砂利を埋めた三和土が風雅な空気をつくりだす。網代天井や手のこんだ建具も味わいがあり、家に帰ったその瞬間から「ああ、落ち着くなぁ」と思えるのだそうだ。