ダイニングから中庭越しに愛車を望む、ひとつながりの家。

　プレゼンテーションで提案した模型を見て、オーナーの発した一言がおもしろい。
「防御力の高そうな家ですね」。さすが、ITにたずさわる起業家らしい感想である。 　
　この春、完成した新居は、道路から奥に細長い敷地を生かすように、通りに面した部分にガレージをつくり、中庭でワンクッションおいていちばん奥に住棟を配置。住まいとガレージの屋根の傾斜を揃えたことで、道路側からは「黒い要塞」のようにも映るのかもしれない。近隣に住宅が密集するエリアでありながら、敷地のなかに一歩足を踏み入れると、まわりの喧噪から解放され、ここだけ静かな時間が流れているのである。 　
　ちょうど一年前、知人を介してlia Styleの住まいづくりを知り、賃貸マンションからマイホーム計画を本格化。ご主人の会社のある札幌市中心部まで自転車で通勤したいという要望に応え、lia Styleが土地探しからサポート。そして見つけたこの場所は、豊平川の対岸に都心を望み、大きなガレージを設けるのに十分な広さを有していた。ガレージにはご夫婦の愛車とバイク5台がゆとりで格納でき、家族のプライバシーをガードする役割も果たしているのだ。