凛として美しく
ここちよくて幸せな家

凹型リビング、ステップフロアの畳敷き寝室。こだわりの生活動線…。わが家らしい発想や、毎日と将来への配慮をカタチにする喜び。まさに生まれたて、完成直後のMさん邸を訪問しました。

本誌でもおなじみとなった樹凛建築事務所とMOSS WOODによる家。彼ら（正確にお伝えすると、設計が樹凛建築事務所の岡島佳代さん、施工がMOSS WOODの山本雅俊さんで二人はご夫婦）が生む家はどのお宅も凛として洗練度が高く、それでいて心身になじむ温かみがあることが共通の特長。けれども…！どのお宅へ伺っても、その家ごとにうらやましくなるアイディアや工夫があり、素敵な楽しみがあることに驚かされるのです。
さて、今回はMさん邸です。まずは玄関に入ると広い土間、そして左手には青々とした畳があります。聞けばこの玄関とホールに接した和室を希望されたのは施主さん。「ここなら家庭訪問の時にも先生と話しやすいでしょう（笑）。玄関で靴を履く時は上がり框に腰を掛けられるし」。なるほど、M家も独特の発想がカタチになっていました。明るいナラ無垢材のフローリングに誘われてダイニング、キッチンへ向かうと、奥まった場所で出会ったのが巨大な掘りごたつのよう？畳敷きのリビングです。その畳面はフローリング床より40㎝低くなっており、畳でゴロンとしたり、段差を背もたれにしたりとユニークな空間に。「Mさんのご希望であるこの凹型は、私も未知の世界。でも想像以上に良かった！凹の下がった所から庭を眺めると、庭との一体感が楽しめるようにしてあるんですよ」と設計の岡島さん。