内にも外にも
たくさんの居場所がある
心安らぐ和モダンの家

リビングやダイニングで語らうもよし、軒下のデッキで寛ぐもよし、2階の小座敷やインナーバルコニーで遊ぶもよし…。ここには、思い思いに過ごせる居場所がたくさんあります。伝統を守りつつ暮らしやすさを追求したら、上質で均整のとれた、現代ならではの日本家屋ができました。

　軒先が深く、均整のとれた2階建てのＡ邸は、古くからの町並みに馴染む落ち着いた佇まい。塀越しにも和風住宅の品格が伝わってきます。しかし、一歩、中に入ると、とてもモダン。グレーの塗り壁、巾広の上質なオーク材を用いた床、バランス良く配置された小窓で構成された玄関ホールは広く、シンプルな美しさが訪れる人を魅了します。引き戸の先には贅沢な玄関収納があり、使い勝手も抜群。さらにリビングに進むと、ソファコーナー、和室、吹き抜けのダイニングと、印象の異なるスペースが一体となった豊かな空間が広がります。南側の窓の外には、深い軒とウッドデッキが連なり、その先には緑の庭。窓には障子戸も設置されているので、開閉によって雰囲気がガラリと変化。しかも、障子戸は、すべて戸袋に収納できる優れものです。
　「家づくりを考え始めた当初は、新婚旅行で行ったカナダの住宅みたいな感じもいいねと二人で話していました。でも、周囲のアドバイスもあって、やっぱり和の木造住宅にすることで落ち着き、伝統建築に信頼の置けるシロヤマさんにお願いしました」と語る施主のＡさんは、実は、建築関係の仕事をしています。そのため、内装の一部や外構などは、自分も加わって施工しました。「建てたい住まいのイメージがありました。そのイメージに合わせてリクエストした部分もあります。シロヤマさんの匠の技は素晴らしいので、日本家屋としての基本的なところはお任せし、内装の部分はいろいろ希望を叶えていただきました。細かいことも気持ちよく対応していただき、この家は、シロヤマさんと僕たちの合作ですね」と、笑顔でふり返ります。　……続きは誌面でどうぞ