一台の車から始まった
「好き」とともにある暮らし。

高台の住宅街を行くと深緑の家が見える。創和技建が建てたN邸だ。平屋のその家は大きな工場にも似て圧巻。その室内は車が暮らしの中心となる夫と犬を愛する妻夫婦それぞれのこだわりを上手に住み分けたものだった。

「これさえあればオレは良かったから・・・」とご主人は言い切る。それは1975年製いすゞ117クーペ。リアスポイラーを取り付けるなど、改造を重ねた愛車が堂々ガレージの「顔」として鎮座している。ご主人のアンテナに響かないものは一切ない「好き」だけに囲まれる空間。まさに「住まいづくり」というより、「この車のための車庫」ということから始まった住まいだ。
友人の紹介から住まいづくりを任された創和技建に対してご主人が最初に伝えたことは、「車をベースとした『住める倉庫』」ということ。ご主人と同年代の創和技建営業部長原田さんも、青春時代の憧れを具現化したい気持ちは容易に理解でき、「オトコの憧れ」の具現化にともに目を輝かせた。施主様の要望をすべて紐解きながら住まいへと反映させてゆく創和技建としても、これだけカラーの強い住まいづくりはさぞ面白かったことだろう。ご主人と原田さんは微につき細につき打ち合わせを重ね、何度も図面を引き直したというのも容易に頷ける。