小さな雑木林とつながる
ラフな北欧モダンの家

庭と呼ぶには、あまりに鬱蒼として緑深い蓮池家の雑木林。その向こうには、アウトドアリビングとしてのデッキ、そしてL字型に庭を囲むLDKが広がっている。インテリアのテーマは「無骨な」北欧モダンだった。

お子さんの中学進学を控え、「いつかそのうちに」と思っていた家づくりにギアが入った蓮池家。夫婦二人で住宅展示場を3〜4カ所めぐったが「どこを見ても同じ」と気持ちはしぼんでいったという。そんな時「最後に」と入ったのがアサヒアレックスのモデルハウス「ファロス」。すると「どこかほかと違ったんですね。それで、もう一回行ってみようと、確認の気持ちも含めて訪れた時には、心が決まっていました」。気に入ったのは、北欧モダンのスタイル、そして全体に流れるゆったりとした雰囲気。いうならば好みの「空気感」だったと夫妻は口を揃える。
早速、連絡をとり、プランをお願いした。決まっていた土地は、長方形の敷地を2区画並べた正方形。しばらくして、設計の織田島崇さんから提案されたのは、敷地をいっぱいに使った平屋案など合計4案。イチ押しの平屋案で話がまとまりかけた時、ご主人から「対角線上に、斜めに建物を置いたらどうなりますか?」と軽く問いかけが発された。それを聞いた織田島さん、何かが降りて来たかのようにものの数分でスケッチを書き上げた。それがオーバーハングの総二階、斜面の庭が2階まで続くという現在のプランだ。「実を言うと、そのプランは、織田島の中にも第5案としてあったようなんです。地下からサンダーバードが出てくるといったイメージですね」とは石田伸一専務。建物を斜めに配置することで風通しが良くなり、空間に動きが生まれ、建坪は狭くても十分なボリュームが出せるなど、さまざまなメリットも生まれた。即決だった。