いつもそばに光と風。
中庭を囲んだ自然素材の住まい

片流れの屋根に白とブラウンの外観。室内は木や珪藻土でまとめられ、中庭が2階にまで突き抜けていた。庭が光と風、開放感を呼び込んでいる。

「引越しはプロです」。奥さまがそう笑って言うほど、日本各地を転々としてきたO一家。やっと転勤する必要がなくなり、新潟市内に家を建てることになった。これまで賃貸の部屋に住みながら「落ち着いたらいい家を建てたい」と二人で話していたという夢の一軒家。運良く、お子さんの通う学校の学区内に土地が見つかり、ビルダーを探すことに。まず頭に浮かんだのは、4年ほど前、奥さまが訪ねた友人の家だった。シンプルで全体の雰囲気がよく、使いやすそうだったことが印象に残っていたという。早速、設計した建築事務所es（エス）を紹介してもらい、代表の小田嶋さんに会った。一方で、夫妻は大手ハウスメーカーの住宅展示場にも足を伸ばし、プランをお願いした。「一生におそらく一度の家づくり。後悔がないように」という思いからだったという。
数社に提案してもらった中からOさんが選んだのは、中庭を設けた小田嶋さんのプラン。「『ダイニングとリビングは仕切らずに、でも別々の空間にしたい』と話しましたが、中庭を置くことで、いろいろな希望がうまくおさまりました」と、当時を振り返るのは奥さま。離れていながらも、キッチンに立てばダイニングとリビングの両方が見渡せ、子どもたちに目が届くところも気に入ったという。こうしてOさんは、es（エス）にマイホームづくりをお願いすることになった。