大屋根の下に
家族がつながる住まい

Tさんが夢見たのは古民家風。
一方の奥さまが求めたのは洋風の家。
まったく異なるように見えた二人のイメージは
コンセプトハウス「HAGUMI」で一つになった。

　築50年の家を建て替えるにあたり、T夫妻が大前提にしたのは雪への対応だった。「雪かきや雪下ろしをしなくていいように」。その思いは譲れなかったという。雪をよく知っている地元のビルダーに絞り、見学会などに通う中、夫婦それぞれに、具体的なイメージが湧いてきた。Tさんは梁をいかし、和の佇まいのある古民家風、対して奥さまは洋風。テイストこそ違っていたが、共通していたのは、無垢の木や漆喰などの自然素材へのこだわりだった。そんな折、奥さまが和ごころ工房主催の暮らしのイベントに目を留めた。「コンセプトハウスで行われると分かったので、見学がてら行ってみようと思って」。こうしてT夫妻はお子さん連れでHAGUMIを訪れた。
　季節は冬。「玄関を開けたら、あたたかくて空気が気持ちいい、というのが第一印象でした」と奥さまは振り返る。もちろん、自然素材の雰囲気や、木を使いつつモダンに仕上げているところも気に入ったという。一方、もともと古民家に興味のあったご主人は、和ごころ工房が「地球民家」という日本の伝統や民家の系統を受け継いだ家を手がけていることを知って、一気に気持ちが高まった。「『和』の雰囲気を取り入れながら、モダンなナチュラルテイストにできる」。二人はそう聞いて、気持ちを固めた。HAGUMIというコンセプトハウスに、二人が無理なく歩み寄れる着地点が見えたのだった。　……続きは誌面でどうぞ