自らが歩んできた道の証として

「これまでもがんばってきたけれど、またここからもがんばってみようって、
そう思わせてくれる家かな」30代、40代の頃にはきっと建てられなかった。
自らの道を切り拓いてきた人だけが立てるゴールであり、スタートでもある場所。

　「こちらです」と建物を案内され、思わずあんぐり口が開いてしまう。
　アーチ状に組んだ石張りの壁。3階分の高さのある三角屋根が南面と東面に二つ。吹き抜け一面のガラス窓を覆う深い軒を支える白亜の柱。青空を背景に堂々と立つ豪奢な姿は、家というより「屋敷」という言葉を思わせる。
　ゴージャスなスケールは、もちろん外装だけに留まらない。邸内は、居住空間に中2階、地下室とロフトを加えた5層構造。メインのリビングルームは、横に広い空間をさらに贅沢に縦にも広げ、床や針のダークな木調と一部に使用したレンガの石壁も、落ち着きのあるクラシックな雰囲気に。形状の異なる窓を組み合わせた天井高いっぱいのデザインウインドーとバルーンタイプのローマンシェード、上質な絵画や調度品が、吹き抜けの大空間に一層華やかさを添えている。
　明るく気さくなお人柄のMさんご夫妻。30年以上、二人三脚で会社を経営。働きづめでがんばってきたご褒美に、そろそろ好きなものに囲まれ、心からくつろげる癒しの場が欲しかった、と話す。
　集大成としての家づくり。いくつかのメーカーを見てまわったが、パンフレットは立派でも、実際の家を見るとなかなかピンとこない。そのなかで出合ったミツヤジーホーム。施工例を見たときに、造りが丁寧であることに感銘を受けたという。契約後も、図面には何度も手を入れ、つくりながら大幅に変えていった部分も。施工期間は9ヵ月。住宅としては異例の時間のかけ方と言えるだろう。