磨き上げられた“シンプル”が映し出す
サスティナブルな暮らしのかたち

そもそもリューケンハイムは、余分なコストを徹底的に見直して、多くない予算でもハイクオリティな仕様の住まいを実現してきたビルダーだ。経済的な効率や環境にかかる負荷を無視してスクラップ&ビルドを繰り返す、華美な装飾だらけのモデルハウスにはとりわけ否定的だった。 そんなリューケンハイムが、2013年夏、従来のモデルハウスのあり方を根本から問い直した展示場をオープンさせた。
上田の市街地を一望する高台に建てられた白い家。夏の日差しを受けて輝く外壁と、屋根や窓をリズミカルに配した造形が、建坪38坪とは思えない存在感を放つ。クールモダンな建物と外構が一体となった設計は「全ての住まいをオンリーワンの作品としてデザインする」という、同社の矜持を感じさせる。
室内は、北側が斜めに切れ込んだ変形角地に建物のラインを沿わせることで、機能的な家事動線と奥行きのある空間構成を実現。白を基調にした内装も、洗練され知的な印象だ。そこここに「リューケン流プランニング」の妙が光るが、それらはあくまでも控えめに、訪れる人が自分の中のイメージを膨らませる手がかりになるようコーディネートされている。