火のある家で冬を過ごす。

昼間は大きな窓から降り注ぐ日差しが、
朝晩は薪ストーブの柔らかな熱が、
天然木で包まれた空間を、
穏やかなぬくもりで満たしていく。
ここで育つ子どもたちは、このぬくもりを、
きっといつまでも、忘れない。

　真冬だというのに、Mさんのお宅はぽかぽかあったか。そのワケは、縁側のある大きな窓から差し込む日差しと、土間に置かれた薪ストーブ。太陽と木材、どちらも自然がくれるエネルギー。
　お父さんが手づくりした庭の薪棚から薪を運ぶのは、二人の姉弟のおしごと。木屑が散らかったって、土間だから気にならない。お姉ちゃんは箒でサッサッとお掃除だってできる。お手伝いのご褒美は、ストーブのなかの焼き芋。もうすぐホクホクにできあがる。
「寒い長野の冬。薪ストーブがあったら
いいなとダイコクさんに相談したら、北側の玄関から続く部分を土間にして、そこに置いてみてはと提案してくれたんです。南側は太陽光で十分暖かいから、こちら側に置いて大正解」とご主人。奥様も「土間は汚れを気にせず、お米や野菜を置いておけるので、重宝しています」と大満足。
　扇形というちょっと変わった形の土地。薪ストーブを置こうと決めたことで、敷地内の薪棚や車庫の使いやすい配置、勝手口との動線など、実際の生活をイメージした全体プランが決まっていった。「デメリットと考えていたこの土地を生かしてくれたことに驚きました」とMさん夫妻。　……続きは誌面でどうぞ