Rich at heart
小さく、ゆたかに。

家と、そこに住む人のために、
ほんとうに大事なものって、なんだろう。
収納が多いこと？　いくつもの部屋があること？　
いいえ、答えはきっと、その正反対。
小さいからこそ、家族はもっと近くに、
暮らしはもっと大きく広がっていく。
これからは、「小さなおうち」の時代です。

　床面積はおよそ26坪。数字だけを見れば、決して広いとは言えない。おまけに、建物は人通りの多い往来に面している。条件的には課題・難題も少なくないはずなのに、出迎えてくれたMさんご家族も、ダイコクの設計担当者も、揃ってゆったりとニコニコ笑顔。その理由は、室内にお邪魔してすぐに納得することとなる。
　観光客で賑わう小布施。中心地から少し離れた住宅街に完成したMさんのお宅は、ご主人の実家の敷地内に建っている。はじめは実家を二世帯住宅に増改築しようと考えたものの、構造上難しいことがわかり、もともと庭だった土地に新築することを決意。ただし、面積は限られている。そこでMさんとダイコクの担当者が見つけ出した答えが、「家族の居場所を2階に集める」ことだった。
　横一列のひとつながりに配置したリビング・キッチンと水周り。1階の高さを抑えた分、2階は天井高も広々。外に向かってせり出す造りのため、表の往来の気配も気にならず、この空間だけがぽっかりと浮かんでいるような不思議な心地よさ。全面開放できる大きな窓が明るい日差しと風を呼びこみ、窓辺の長いベンチは縁側のようなくつろぎのスペースに。コンパクトさは気にならないどころか、むしろすべてが〝ちょうどいい〟。　……続きは誌面でどうぞ