自然素材と手づくりの温もりに包まれた
開放感あふれる家

プロセスを楽しむことも、家づくりの醍醐味といえよう。もちろん、結果がもっとも重要なことはいうまでもない。理想的な住まいを手に入れることが、そもそも最大の目的なのだから。ただ家づくりは、人生のビッグイベント。生涯の記憶に残る素晴らしい体験にしたいものだ。設計士やコーディネーターとアイデアを出し合ったり、職人の技を間近で見学したり。ときには、家族みんなで壁を塗ったりすると、思い出にもなるし、住まいへの愛着も違ってくるだろう。家づくりは、感動づくりでもあるのだ。

通りから眺めると、1階は板張り、2階は白壁というシンプルな中にも温もりを感じさせる外観。さりげない品や奥ゆかしさのある佇まいが、周囲の街並みに違和感なく溶け込んでいる。もともと、この地域で暮らしてきたというSさん。極端なデザインの家は避けたいとの思いがあったそうだ。
何社かにコンタクトを取ったものの、要望通りのプランが出ることはなかった。「最初から決まっていることが多くて、もどかしさを感じました」とはSさん。そんなとき、同社の内見会で好印象を抱き、試しにプランを提案してもらうことになった。
ひとくちに注文住宅といっても、業者によって対応はさまざまだ。設計や設備など、ある程度のプランがはじめに用意されていて、強引に勧められる場合も少なくない。それ以外のものを希望すると、不可解な追加料金が発生したりすることもある。「坂本さんは、意見を押し付けることがなく、いい意味でアバウトなところが良かったですね（笑）。何かを選ぶときにも、『迷ったら、ご自分の目で確認して決めた方がいいですよ』と、私たちを尊重してくれました」（Sさん）。