国に認められたゼロエネルギーの住まい

現代の家づくりのもっとも大きなテーマ。そのひとつが、住まいのゼロエネルギー化といっても過言ではないだろう。単なる一過性のトレンドとは明らかに異なり、国策として、また大きな社会的ニーズとして、今後もさらに定着していく方向である。スマートハウスなどの言葉が頻繁に使われる遥か以前から、省エネで長寿命のエコな家づくりに取り組んできた永大ホーム。外張り断熱などエネルギー効率に優れた仕様を県内でもいち早く採り入れ、また昨年公募された「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」では、ここにご紹介するY邸が石川県で唯一の採択となった。そんな同社の蓄積された経験とノウハウを、時代はますます必要としていくに違いない。

これほど緻密にエネルギー計算された家づくりも珍しいだろう。膨大にファイリングされた実証データの一部を目にした感想だ。経済産業省が公募した「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」（詳細は本誌22p参照）に申請するために作成した資料という。
もともと独自の研究を積み重ね、外張り断熱や地熱利用など省エネを追求した高性能の家づくりに取り組んできた同社。さらなるスキルアップを図るためにも、また補助金の活用により施主の負担を軽減するためにも、難関を覚悟の上で同事業に挑むこととなった。「とにかく申請書類が多く、複雑な計算に時間を取られました。でも、貴重な勉強の機会にはなりましたね」と語るのは、同社社長。その甲斐あって石川県で唯一、採択されるに至ったのがY邸である。