内と外、光と陰。
エッジの効いた美しさが際立つ2Wall+2の家。

　すうっと延びる直線の美しさに、思わず目を引き込まれる白い外観。薄暮の空に乳白の窓ガラスから漏れる灯りが溶け込んで、眺めているだけであったかい気持ちになる。家っていいな。帰宅するたび、少しばかり足を止めて幸福を噛みしめる。家は、家族のふるさと。肩の力を抜いて自然体で過ごせる場所。アン.デザインハウスが提供する住まいには、こうした思いが込められている。
　同社の特徴ともいえるシンプルなデザインは、しかし、それだけでは成立しない。光を受けることで生まれる陰影のなんともいえない奥深さ、内と外のゆるいつながりがもたらすのびやかな心地よさ。自然のエッセンスを設計に取り入れてこそ、空間に命が吹き込まれるのだ。まっすぐに引かれたラインがエッジの効いたすがすがしさを創造する一方で、不思議なしなやかさをも体感させる建築の妙。モノトーンに抑えられた空間のなかに漂う豊かさや温もり、それこそが、アン.デザインハウスの醍醐味である。
　この家のコンセプトでもある「2Wall＋2(ツーウォールプラスツー)の家」とは、白と黒ふたつの壁、内と外ふたつの空間を表すものである。オーナーのKさんも夫と妻のふたり暮らし。異なるふたつが響き合うことで、魅力的な化学反応を楽しもうというのがプランニングの出発点である。　……続きは誌面でどうぞ