薪ストーブや珈琲焙煎機を取り入れた
“火を使い、炎を眺める”暮らし。

　広々とした区画に緑が茂る中札内村の住宅地。昼下がりに訪ねたM邸では、やさしい日差しが注ぐリビングで、5歳、2歳、0歳の子どもたち3人が仲良くお昼寝の真っ最中。引っ越してわずか1週間にも関わらず、新しい家の暮らしにすっかりなじんでいるようだ。3人目の子どもに恵まれ、家族が増えたことを機に家を新築したMさんご夫妻。実家のすぐ隣なので、なにかと心強い環境といえる。
　シュークローゼットや物入れまでふくめると、たっぷり1部屋分はある玄関からリビングに入ると、まず目に飛び込んでくるのは天井高3ｍの開放感。奥の洋室も同じ天井高にそろえ、キッチンまですべてのデザインテイストをまとめているので、仕切りのないひとつの大きな部屋といった印象だ。なかでもひときわ目を引くのは、薪ストーブと幅2mほどの大きなカウンター。「リビングの象徴となる薪ストーブの位置は吟味しました。ダイニングセットを置かない代わりに、夕食を囲み、お酒を飲んだり友人と語らえる、用途を決めないカウンターが作りたいというご希望があったので、台所とリビングの間に多様な使い方ができる場所を作りました」と話すのは、設計を手がけたエーアイホームズ社長の岡田さん。自然と家族が集まり、友人たちと語らうコミュニケーションの場が、家の一番大切な場所になるよう設計に組み込んだ。