住宅は、ただの箱ではない、
住宅は、生き物である

「住む人に健康と幸せをもたらしてくれる、本当にいい住まいをすべての人に建ててもらいたい」住まいネットはある人が抱いたこんな思いから始まりました。その人は、『ハウスメーカーと官僚がダメにした日本の住宅』の著者で、現在住まいネット協賛の家造りセミナーで講師を務める、澤田升男さん。宮大工の息子として生まれ、幼少の頃から建築の世界に身を置いてきた澤田さんは、23歳で父親の工務店を継ぎ、自らの手で数多くの家を建ててきました。さらに、全国に約800店の会員工務店を有し、「ダブル断熱」などの画期的な工法やノウハウ、自社開発の資材を販売。その結果、わずか3年で会社を10億円規模の優良企業へと導き、建築デザインコンテストでも数々の賞を受賞。当時は「建築業界の風雲児」と呼ばれ、飛ぶ鳥を落とす勢いだったといいます。
しかし会社が大きくなるにつれ、造り手側の利益ばかりを追求する業界の体質に疑問を抱き始めた澤田さんは、突然会社を売却。一時は建築業界から姿を消してしまいます。すると身を引くことで、改めて日本における家づくりの問題点に気づかされます。それは、よく知らないがために短命で価格に見合わない住まいを購入するなど、消費者が非常に不利な立場に置かれているということ。「日本の住まいにおける真実を伝えたい」「適正な価格で、永く、健康に住むことができる家を、1人でも多くの人に持ってほしい」そんな思いで、澤田さんは一般向けの無料セミナーを開き、本当の意味で“いい家”の建て方や正しい知識を話し始めました。セミナーは大好評を博し、この考えに賛同する支援者も増加。現在の住まいネット設立へと、つながっていったのです。