実現力の秘密

家とは単なる住みかではなく、理想の暮らしを叶える大切な場所。そう考えるラ・カーサは、どのように家族が思い描く暮らしを実現していくのでしょう。家族の思いを受け取り、住まいというカタチにするプロセスを辿りながら、家づくりのカギを探ります。


空間に散りばめた気づきが
これからの暮らしを誘発する

　ご主人の実家に隣接して佇むH邸。北側奥にある山へ向かって緩やかに傾斜が続き、南向きに視界が広がる地形を見て、デザイナーの柴田さんは、南に開けた大きなテラスを提案しました。テラスは通学路にもなっている道路に面し、将来はお子さんが登下校する姿を見守り、地域とのつながりを感じることができます。
　室内空間のポイントとなっているのは、暮らしやすさを考え抜いたゾーニング。パブリックなLDKと、寝室などのプライベート空間に分け、来客時もプライバシーを保つよう配慮。さらに、二世帯で暮らすことも考慮し、共有ゾーンを挟んでそれぞれの個室を配すことで、程よい距離でお互いの時間を尊重し合える間取りを描きました。
　料理が好きなご夫妻のために、キッチンは機能性とデザインを両立した、スタイリッシュな空間に。調理中もテラスから外の景色を感じる心地よさを満喫でき、気軽に庭へ出てハーブや野菜を家庭菜園で収穫したりと、楽しみはキッチンから我が家全体に広がります。それまでは来客は少なかったというご夫妻でしたが、柴田さんはキッチン周りの空間を広く取り、リビングやダイニングとのつながりを大切にすることで、人を招いて作った料理を振る舞うという、新たな楽しみ方を加えました。空間の随所に、新しい暮らしへと導く”気づき“が施されたH邸は、家族の”JOY“をさらに育む、豊かな住まいになっています。　……続きは誌面でどうぞ