大空間に光が踊る
アーバンシックな
ワンフロア住宅

　間口は白のジョリパッド、奥は黒のガルバリウムで、見る角度によって表情を変えるＮ邸は、エッジのきいたクールな印象。でも、違和感なく周囲に溶け込んでいます。今では珍しい、少し懐かしくもある平屋建てで、屋根の高さも建物の幅も段階的に収縮していく造りが、三角形の敷地の斜辺と相まって均整がとれているからかもしれません。
　「当初は普通に２階建てを建てるつもりだったんですが、田中工務店が２階建てとは別に平屋建てのプランも提案してくれたんです。それを見て、やっぱりそう来たか、と（笑）」。　実は施主のＮさんも内心ほんの少し「平屋もいいかも」と思っていたそうで、検討の結果、平屋が一番土地を有効活用できるという結論になり、道路に面して幅の広い南側には開放感いっぱいのLDK、東側に玄関、土地が狭まる北側には寝室などのプライベート空間を配置することになりました。「理にかなっていて無理がなく、いい案だと思いました」とＮさん。表は白、奥は黒の外観になったのは、予算との兼ね合いで、あまり見えない部分にはガルバリウムを用いたからだとか。とはいえ、それがデザインのアクセントになっています。
　リビングは天井を通常よりも1.2ｍ高くして床と同じナラ材を貼り、南面一面を大きな窓にした贅沢仕様ですが、北側ゾーンは比較的シンプルな造り。空間に応じたメリハリのある設計で経費面もよく考えられているのです。「本当のことをいうと個人の設計士さんにもプランを考えてもらったんですが、リクエストが全然反映されなかった上に、建てるとなると設計料が別料金。一方、田中工務店は言ったことを全部ちゃんと考えてくれて、それ以上に次々いろんな提案をしてくれて、しかも設計施工一括料金。この違いは大きかったです」。Nさんはそうふり返ります。