天然の欅と杉が魅せる
木材の力に満ちた家

　生活スタイルが多様化しても、日本人として文化伝統を守りたいと願う心はなくならない。ここに紹介するのは木材の良さを伝統的な木造の技によって引き出した和の住まい。オーナーが自らこだわり抜いて集めた天然の欅や杉をふんだんに用い、穏やかで優しい印象の住空間に仕上げている。日本は国土の６割以上が自然豊かな森林だ。高齢になった木はCO2の吸収量が少なくなるため、計画的な伐採が必要であり、昨今では建築に積極的に木材を使うということも重要な環境貢献のひとつと言える。玄関を入ると感じるのは安らぎを感じる木の香り。立派な欅の上がり框の玄関から先は、二手に分かれ、その先でつながるロの字型の広い廊下が和室やリビング、主寝室、水回りなどの各室の先を巡っている。中心部は階段ホールや収納スペースとなった、ゆとりを感じる贅沢な間取りだ。木材は断熱効果や湿度の調整機能を持ち、音もバランスよく吸収する建築材料として申し分ない機能が備わっている。そんな木の良さが各所で存分に生かされた住まいだ。　……続きは誌面でどうぞ