四季の移ろいや
家族のコミュニケーションが
肌で感じられる、平屋の魅力
家の外にも中にも、やさしい風景

　玄関ドアを開けた途端目を奪われるのは、一直線に伸びるタイル敷きの“通り土間”。坪庭の窓から差し込む陽だまりがこの土間にぽとんと落ち、風もゆるりと通り過ぎる。廊下でもない屋外でもない心地よい空間だ。
　玄関を背にして土間の右手は主寝室を含む個室が3部屋。家族のプライベートスペースだ。この個室の壁が一般的に外壁に使用されるガルバニウム鋼板であるため、室内でありながら“離れ”のような、遊び心ある空間になっている。
　左手はリビングダイニング、キッチン、そして洗面、バスルームといった家族のパブリックスペース。中庭を見ながら土間までぐるりと回遊できるため、動線にムダがなく、小さな子どもなら、きっとかくれんぼでもするであろう楽しさを感じる。土間を境に左右がプライベートとパブリックに分かれることで、家族の時間、個人の時間のメリハリがつくのだ。
　中庭から空を仰ぎながら、家の中を回遊できるのは、平屋ならではのうれしさ。マンションの機能性、利便性と、一戸建ての開放感を両方併せ持つ住まいとなった。
　キッチンに立つと土間の向うの窓から周囲の緑がよく見える。手元の作業からふと顔を上げたときに見える緑は、毎日の小さな癒しに。丸みのあるダイニングテーブルはキッチンと連結した作り付け。またこのキッチンは家のほぼ中央に位置しているため、ダイニングテーブルに座る家族はもちろん、バスルームや個室にいる家族の気配に目や声が届く。お母さんを中心にした家族の温かいコミュニケーションをとることができる。