太陽と木のぬくもりに包まれて。
ここは、休日を楽しむための家。

「この家を建てる前は不動産広告の間取り図を見るのが大好きだったのに、今は全然見なくなっちゃった。だってこの家が一番だから」と、ほがらかに笑う奥様。ともに美容師という40代夫婦のために、フジモクの小池さんが提案したのは「休日を楽しむための家」だ。
リビングのある２階の東南面を囲むように広々としたバルコニーを設けて、さらに１階にもウッドデッキを配し、休日の日差しの下でのびのびとおいしいビールが飲める家に。大きな窓から室内にたっぷり光が入る上、北側の屋根にもトップライトを設けたおかげで、隅々まで明るい。「冬でも屋根から光が入るところに緑の植物を置くと、まるで南国のホテルみたいなの！」と、家中を楽しげに案内してくれる奥様。この家での暮らしに心から満足しているという。

Ｋ夫妻が家づくり計画を始めたのは２年前。住宅展示場などを回って何社か見比べてみたものの、奥様が一目ぼれしたのは、義弟が勤めるフジモクの家だった。「木の家が好きだったから、絶対こういう家がいい！って」と即決。富士山麓育ちの杉の梁や檜の床はフジモク最大の魅力だ。プランニングの時もご主人はほとんど口を挟まず、奥様の希望が随所に活かされた。まず要望したのは動線だ。夫婦共働きのＫ夫妻にとっていちばん大切なのは、貴重な休日をゆっくり過ごす暮らし方。その分家事は手早く済ませたい。そこで担当の小池さんは、キッチンと洗濯機を一直線上に配置し、その間に家事道具一式が収まる大型収納庫や洗いものをする水場も一からつくり込んだ、家事ステーションを提案。洗濯機もクローゼットも２階にあり、バルコニーで干すのも取り込むのも楽だ。そのバルコニーはこの家の第二のリビング。遠くの緑を眺めたり、髪を乾かしたりと、空を満喫する自由空間だ。床板の間の隙間が階下にも光と風を送るので圧迫感も少ない。ここだけは鉄骨を組み、頑丈なイペ材を使って安全性や耐久性に配慮している。「叶わなかった要望は一つもない」と大満足の奥様は、「20年以上美容師をやってきて、小さい頃からなじみのお客さんもいるけど、フジモクさんもそういうノリでつきあえそう」と話す。施主と業者という単純な関係を越えたつながりが、心から寛げる家を完成させた。「着工式の時、主人が職人さんたちの前で『僕は奥さんが喜ぶ家ならいい』とスピーチしたんです。感激して泣きそうでした」と奥様。忙しい合間を縫っては会話を弾ませる仲良し夫婦に、間仕切りのほとんどない生活空間がよく似合う。「ここに住み始めてから『子ども作る？』なんて言ってます（笑）」