「建築家×第一建設」のコラボレーションハウス。

ゆるやかにカーブを描く上り坂を上がっていくと、洗練されたカフェのような一角が見えてくる。第一建設とエルトデザインとのコラボレーションから生まれたDコンセプトのM邸だ。敷地に沿った台形の外観デザインは道路からの視線をほどよく遮り、ガレージとも中庭ともいえるリビング前の空間は、大きな梁で囲うことによってさりげなく外とつながるプライベートスペースとなっている。太陽光発電パネルが屋根と一体化していることも、M邸の独特な佇まいの演出に一役買っているようだ。デッキでくつろぐ家族の姿が、一枚の完成された絵画のように見えてくる。

M夫妻と第一建設との出会いは、土地探しのセミナーだった。マンション住まいだったM夫妻が、子どもたちがのびのび過ごせる一戸建てを検討し始めた頃、第一建設主催のセミナーに足を運んだことが始まりだ。その後、奥様の実家近くの土地を紹介してもらい、コラボレーションハウスの施工事例を見学。「手間と時間がかかっても心から満足できる住まいにしたい」というこだわりの家づくりがスタートした。設計のパートナーは、首都圏や県東部で多数の実績があるエトルデザイン。建築家が設計する場合は、作成されたプランを施工会社が引き継いで形にするという流れが一般的だが、第一建設ではプランニングから参加して一緒に議論を重ねていく。住み心地やコストなど、多角的な視点からさまざまなアドバイスができるからだ。「3者の想いと知恵を集める感じ。打ち合わせはとても楽しい時間でした」と奥様は振り返る。