大人の趣味空間にこだわった
ゆるやかにつながる二世帯住宅。

白とグレーを組み合わせたツートンカラーに、バランスよく配置されたスリット窓が上品な印象を与えるH邸。その中でひと際大きな存在感を示しているのが、ビルトインガレージだ。親子そろってアルファロメオファンというご主人と息子さんがそれぞれ1台ずつ所有しているため、2台をゆったりと配置することができるスペースと、ガレージから直接室内に入れる動線にこだわった。この大人の趣味空間を実現するために、ガレージの開口部には門型フレームを入れて強化し、2階建て木造住宅では通常行わない構造計算も取り入れている。「オイル交換などの簡単な作業はここでしています。このガレージは、新居を計画する時に私が出した唯一といっていい注文ですよ」とご主人は笑った。

もともと同じ敷地に住んでいたものの、道路の拡幅工事により建て替えを余儀なくされてしまったHさんご家族。新居検討の際には展示場も見学したが、最終的には大工をしている娘婿の紹介でカラフルホームスタイルに依頼することになったそうだ。建築業界をよく知る身内からの紹介、そんな安心感が後押ししたのだろう。近い将来、息子さんが結婚した時の生活スタイルをイメージしながら、ゆるやかな二世帯住宅のプランニングはスタートした。
カラフルホームスタイルの特徴は、社長である近藤さんが手掛ける女性ならではの細やかな設計とコーディネート。もちろん、H邸にも家族の生活動線や将来の可変性を考慮した工夫が随所にちりばめられている。例えば、玄関やガレージにつながり、親世帯の居住空間でもある1階廊下には洗面を配置。ちょっとした手洗いに重宝する実用性と、やわらかい曲線やベネツィアンモザイクタイルで演出したインテリア性を兼ね備えた洗面は、来客にも感心されるそうだ。
また、今は単世帯のため2階のLDKが生活の中心になっているが、二世帯になった時は1階にもミニキッチンを備えられるよう給排水が準備されている。息子さんの部屋も、2つの子ども部屋としても使えるようドアと収納が2つずつ配置されている。想定される生活の変化に対応できるよう、それでいて現状の使い方ともマッチするように。リアルな生活を思い描きながらシミュレーションを重ねたことがうかがえる空間づくりだ。「結婚した娘も孫を連れてよく来てくれます。明るいリビングでのんびり過ごす時間が何よりですね」。