丁寧な仕上げが生む洗練の空気感

40坪の敷地に立つ二世帯住宅。決して大きくはないが、室内は心地よい広がりと洗練の空気に満ちている。素材の良さを素直に引き出し融け合わせる設計と仕上げが、上品な空気感を生む。

　「いつかは家を建てたい」。そう思いつつ、まだ現実的でなかった数年前、Ｋ夫妻は、とある完成見学会を訪れた。住んでいたアパートの近くで看板を見かけ、「何となく」入ってみたのだという。「素敵な家、というのが第一印象でした。木を使った雰囲気が良くて。暮らしやすそう、住みたい、と思ったのを覚えています」と奥さま。それがTs homeとの出合い。そして数年後、長女の小学校入学を控えて家づくりにエンジンがかかり、土地も決まったところでＫ夫妻はTs homeを含め、やはり完成見学会で見て良さそうだな、と思ったビルダー数社にプランをお願いした。初めからTs homeに決めなかったのは、果たして自分たちの予算で見学したような家ができるのか、不安だったからという。しかし、できあがったプランを見て、不安は期待に変わった。「私たちの場合、要望が多いのに土地が狭くて、おさまりきらないだろうと思っていたんですが、津野さんはすべてを叶えたプランを出してくれたんです」。駐車場は3台、ゆくゆくは親と同居するため二世帯にしたい。そんな要望に対して他社の提案は、３階建てにしたり駐車スペースや収納スペースを省いたり、何かしら我慢を強いるものだったという。「しかも無垢の木を使って上品に仕上げる津野さんのテイストはそのままと聞いて、迷いはありませんでした」。長年の思いが通じたような、幸せな出発だった。