「空気をデザインする」設計で心地よさに満ちた住まい

日々、最高気温を記録するほどの猛暑に見舞われた夏。重厚なドアを開けると、その向こうは涼風に満ちた空間が広がっていた。

　新潟市中央区の閑静な住宅街。頻繁に車が行き交う幹線道路を１本入っただけなのに、車通りも少なくセミの声が聞こえる。そこに立つ家には、ご主人と奥さま、娘さんとご主人のお母さまの４人が暮らしている。
　「もともとここには、母が一人で住んでいた家がありました。私たちはマンション暮らし。娘も大きくなったので同居を考え、妻と展示場めぐりを始めました」とご主人。しかし設計や建築に関してはまったくの素人。種々様々なハウスメーカーやビルダーから１社を選ぶことができずにいた。そんな折、職場の同僚に相談したところ、勧められたのが平澤建築事務所。早速、奥さまと一緒に、同社の「住み心地体感ハウス」を訪れた。
　「ドアを開けた瞬間から空気が違うのに気づき、思わず声が出ました。空気がきれいで澄んでいる。あの体験は忘れられません」と奥さま。その秘密は、涼温換気システムにあった。住まいの真ん中にセンターダクトを通して室内に新鮮な空気を供給し、汚れた空気を外へ排出する。高性能フィルターが構造体の内部も換気するので、室内に嫌な匂いがこもらず、家中の冷暖房は、小屋裏に設置したエアコン１台で可能だという。
　その後、清水夫妻は同社の勉強会に参加したりオープンハウスを見学したり。「いい家」をつくる会の書籍も読み込んだ。平澤建築事務所の家を知れば知るほど、家を建てたい気持ちが高まっていく。前の家に愛着のあったお母さまも交え、打ち合わせが始まった。