旅の思い出がちりばめられた家で
色と色が仲良く手をつなぐ

街路樹のケヤキ、そのみずみずしい緑に映えるペールオレンジの一軒家。「海外旅行が趣味」という夫妻の終の住処は旅先で出合った色彩で溢れていた。

仕事の関係で長年、長岡に住んでいた和田夫妻が、退職して新潟市内に家を建てることになった。既に求めていた土地は、交通の便が良い上、ケヤキの街路樹が続く静かな場所。「ここに終の住処を建てようと。そこで10社に声をかけました」。急ぐ理由はなかった。そして「人生の2軒目を存分に楽しみたかった」とご主人は言う。候補の10社には、1軒目を設計した高田建築事務所も含まれていた。「23年間暮らしてきて、一つも嫌なところがなかった。それでもはじめから高田さんに決めなかったのは、違う雰囲気の家に住みたいと思っていたからです」
とはいえ、結論から言うと、和田夫妻は再び高田建築事務所に家づくりをお願いすることになる。「高田さんの平面プランは際立っていました。以前の家ともまったく違っていて」。ほかのプランはすべて南に窓を設けているのに対して、高田案は敷地を斜めに使い、東南に窓を設けているのもポイントだったという。結果、見たくない外部を隠したり、車をスムーズに停められるメリットも生まれていた。「しかも高田さんの家ならメンテナンスがしっかりしていてアフターケアも万全。それを知っていましたから」。一方で奥さまはスタッフ力の幅を挙げる。「プランを見て、ここは一つの家に対してアイデアを出す人が多いんだなと思いました」。プランニング力、スタッフ力、実行力。3拍子揃った理想のチームとの家づくりが始まった。