素材と色が心地よく
調和する家

木とアイボリーのやわらかな空間を
きりりと引き締める硬いスチール。
余白をいかしたコンパクトな住まいは
素材と色のバランスが心地いい。

　階段、手すり、家具。スチール造作を仕事にし、家づくりに関わっているKさんが、家を建てることになった。地元ビルダーとの付き合いは深く、古いところでは20年以上、数にして20社以上あるという。マイホームづくりにあたってどの会社を選ぶのか、気になるところだが、Kさんの中ではだいたい決まっていたという。「わがままを聞いてくれそうだし、うまくまとめてくれると思ったんです」。依頼したのはアーキトライブ、ここ一社だった。「わがままを聞いてくれる」。それだけであれば、多くの会社が当てはまることだろう。もう一つ、Kさんが何気なく口にした一言「うまくまとめてくれる」、この意味するところは大きい。リクエストを聞き入れるだけでは、決してうまくいかないからだ。そしてKさんは、アーキトライブ代表の中野岳さんについて、こう付け加えた。「丁寧に、細かいところまで目を配らせているんです。私自身、細かいのでそれがよく分かる。普段の仕事でも気持ちがぴたっとはまっているから、この人ならと思えたんでしょうね」。
　完成したのは、木やスチールなど無垢の素材とアイボリーが心地よく融け合う家。これまでアーキトライブが手がけてきた家に比べると、やわらかさが際立ち、スタイリッシュというよりナチュラルだ。そのテイストはKさんが求めたものだが、要望に添わせながらすっきりきれいにまとめ上げるのは、同社のバランス感覚と設計力あってこそだろう。　……続きは誌面でどうぞ