常識から自由になると、
家づくりはもっと可能性が広がる

家づくりをビジネスと割り切るなら、常識的な住まいを効率よく建てるのがセオリーだろう。経験則のない斬新なデザインや、手間と時間のかかる仕上げなどは、たとえ施主が要望していても、無難な方向に上手く誘導する。そんな能力をスタッフに求める業者も少なくないはずだ。一方で、既成概念から自由になることを恐れず、また難しいことに進んで取り組む業者も存在する。そのスタンスの違いは、どこからくるのだろう。本当に施主の立場になれるからか、あるいは根っから家づくりが好きだからか。どうやらディレクトは、その両方が当てはまりそうだ。

一見すると、スタイリッシュなオフィスビルかヘアサロンといった印象の外観。2階から上がほぼ全面ガラス張りになったN邸のファサードは、7mというコンパクトな間口ながら旧市街のちょっとしたランドマークになるほど存在感が際立っている。一般的な住まいとは一味違うスタイルを望んでいたというNさん。他社にもコンタクトしたものの、まったく話が通じず途方に暮れていたそうだ。そんなとき目にしたのが、ディレクトのホームページ。「ここなら何とかしてくれそうな予感がしました」との第一印象を抱いたとか。
家族揃ってブリーダーというご夫婦の要望は、数匹の愛犬と気ままに暮らせる住まい。仕事仲間が集まることも多く、また以前のご自宅が細かく区切られていた間取りだったことから、大人数がくつろげる開放的な室内をリクエスト。歩行が困難なワンちゃんもいるため、「出歩かなくても、外の様子を見せてあげたい」という思いを伝えた。