リビングとダイニングを段差でゾーニング。
目線と素材の工夫で広がりを楽しむ家。

　北と南の２方向が道路に接する敷地で、玄関を北側に設けたN邸。外からは閉じた印象の外観ながら、カーポートを兼ねたエントランスの内壁を木で仕上げ、やさしい表情を演出している。今年７月に完成したこの家に住まうのは、30代のご夫婦と子ども２人、そして奥さまの母という３世代５人家族。ハウジング光陽のデザイナー齋藤芳之さんと奥さまがいとこ同士というご縁で、モダンな感性あふれるマイホームが実現した。
　おふたりは小さい頃から兄妹のように仲よく育ち、気心も知れている。結婚して子どもにも恵まれ、のびのび子育てができる家を建てたいという奥さまの夢を齋藤さんが受け止めた。何でも相談できる相手だけに、さぞ細かい注文やこだわりを託したのかと思いきや「実は、ほとんど打ち合わせをしていないんですよ」と奥さま。必要な部屋数と吹き抜け、寝室のウォークインクローゼットがほしいと伝えた程度で、あとはほぼお任せだったという。ご主人も「仕事で疲れたときに息抜きできる“秘密基地”さえあれば満足」と最小限の希望を伝え、夫婦で信頼する齋藤さんの提案を楽しみに待つことにしたのだ。　……続きは誌面でどうぞ