木の包容力と豊かさを楽しむ家

しっとりとした和の空間に響くのは子ども達の元気な足音。伝統的な木づかいの表現とオリジナル建具の意匠によってノスタルジックな雰囲気を醸した、気候風土に馴染む木造住宅です。

「本来の豊かさ」そんな言葉を連想させる、ゆったりとした暮らしの空間が広がるN邸。落ち着いた中にも、つくり手の木へのこだわりが表現され、懐かしさと包容力を感じる意匠となっています。そんな雰囲気をつくり出すこの家の木材は、コストを抑えるために施工会社自ら製材・加工したもの。良質な木をふんだんに、自由自在に使い、表情豊かな空間に仕上げています。構造材や床、壁の木材のみならず、家中の建具もすべてが自社加工のオリジナルデザイン。平面に線を刻む、桟の間隔で遊ぶなど、費用のかかりすぎないシンプルな手法を用いて個性が表現され、味わいあるインテリアとなっています。使い勝手の良さが滲み出た台所も造作によるもので、コの字型の台所は、子ども3人と一緒に調理できる余裕あるサイズ。作業台の広さからも質実な使いやすさの滲み出た、奥さんのこだわりのスペースです。